資料請求
社長ブログ セミナー お問い合せ

グローバル・キャリア・サポート

Global Career Support

グローバル採用の意義とは

 

 すべての日本企業にとって、日本市場の縮小を背景とする企業活動のグローバル化は当然の命題です。日本人をニッチなコアターゲットとして狙う一部の企業を除き、いまや多くの企業が海外拠点を持ち、グローバルな企業活動を行っています。

 その活動は、ますます拠点を広げ、また、海外で行う業務の範囲そのものも、日に日に拡大しています。当初、コストダウンのために生産機能の一部を海外に設けた企業も、いまや世界を市場として捉えなおさざるを得なくなり、研究開発、営業、マーケティング企画などの機能を付加に頭をなませていますし、事業単位で個別に多くの海外拠点を設けてきている会社でも、世界規模での経営資源の最適化のため、国際分業的な視点で、業務プロセスを再編をすすめていることは周知の事実です。また近年では、本社間接部門の機能を海外移転させるというような例もみられます。

 そうした企業活動のグローバル化の進行と、海外進出そのものの抜本的なパラダイムシフトという歴史的な流れは、今後ますます加速し、殆どの企業がその中での「待ったなし」の競争を強いられることになるでしょう。

 

    ◎グローバル時代の成功のカギとは◎

 

 こうしたグローバル経営時代の企業間競争において、最も重要なことは次の3点であると弊社は考えます。

 

① 現在における自社の「強み」や差別化要因を、グローバル環境において捉えなおし、再設定(ブラッシュアップ)すること

 

 ここでの「強み」「差別化要因」は、製品(事業ドメイン)や職能(業務プロセス)上の強みだけでなく、企業文化、価値観といったDNA的な無形のものを含みますし、そのほうがより重要です。

 

② 本社において、日本からという一方的な視点ではなく、グローバルな視点で業務と組織の再編・コントロールを行えるようにすること

 

 例えば、市場に即応した研究開発が行えるように一部機能を市場近辺に移転させたり、間接業務の一部を現地に移管したりという判断を、柔軟に行いスピーディに動かすこと。本社とは、グローバル活動全体のコントロールタワーを意味します。

 

③ 自社の「強み」や差別化要因を、世界のあらゆる拠点に浸透させ、現地なりの文化と融合させた方法で企業活動を行わせること

 

 単に本社のやり方や考え方を各拠点に押し付けるのではなく、現地ごとの文化や慣習と無理なく融合させギャップを克服してゆくというきわめて高度な仕事が要求されます。

 

 ここで重要なことは、上記の①~③のいずれについても、個人個人の嗜好を超えた合理的な判断と、非合理を克服する強靭かつ柔軟な人間性の、一見背反する両面の要素が必要であり、その実現の原動力として、やはり既存の人材とは異なる人材の採用、教育施策が必要であることは言うまでもありません。

 

 

 ◎単なる「外国人採用」?それとも戦略的「グローバル採用」?◎

 

 近年、多くの企業が外国人採用を本格的にスタートさせようとしています。企業様のその背景には、事業のアジアシフト、とくに中国の急速な市場化があり、国際間取引きやプロジェクトのメンバーやリーダー候補を採用したい企業様や現地法人の急拡大に伴う管理者不足を補いたいとする企業様など、各社様それぞれに事情をお持ちでいらっしゃいます。あるいは、将来の中国とその周辺での業務の拡大を見越して採用を考える企業様も増えています。 (詳しくは2010年9月実施アンケートをご参照下さい)

 

 しかしながら、どのような状況の企業様でも、その動きを単に日本人採用と別枠の「外国人採用」として捉える場合と、将来的な企業戦略との結びつきを意識した「グローバル採用」として捉える場合とでは、その中長期における成果はかなり異なって来ると考えられます。採用する人材が、最初に述べた3つの活動の一部または全部を担うことになる場合は、とくにその戦略的意義の重要性を強く認識すべきであると思われます。

 

 

   ○ 自社にとっての「グローバル採用」の目的は何か?

   ○ 自社にとっての「グローバル人材」の定義付けは何か?

   ○ 自社にとっての「グローバル人材」の採用要件は何か?

   ○ 自社にとっての「グローバル人材」に対しての教育の基本方針は何か?

 

 こうした事柄は、社内や部内に非常にすぐれた指導者の方がおられる場合はともかく、すぐに決定できるものではなく、時間をかけて全社的にコンセンサスを得ていくことが多いものです。しかしながら、こうした事項の方向づけを目指し常に意識しながら採用活動を行うことは、極めて重要であると考えられます。 

 

 上記のような競争戦略を具体的に実行に移すためには、以下のような「グローバル人材」の確保とそれに対する組織的な人材マネジメントが最も重要になります。

  

                ◎グローバル人事 6つの枠組み◎

 

①グローバルに活動する中核メンバー(以下便宜的に「グローバル人材」と表記)は、候補生も含め、採用地点、人種、国籍にこだわらない。

 

 

②グローバル人材の候補生には少なくとも一定期間、本社において自社の現状の「強み」や差別化要因を体感、体得させる。

 

③グローバル人材の候補生の中から、さまざまなレベルで管理者クラスが育つように、グローバルキャリアパス・マネジメントの流れをつくる。

 

④グローバル人材に対して、世界のどこで業務を行おうと、統一的な基準で構成に評価・処遇できる「グローバル人事制度」をつくる。

 

⑤本社(コントロールタワー)で活躍するグローバル人材に対しては、「自社の強み、差別化要因をつねにグローバルな観点から捉えなおす」という視点を持たせる。

 

⑥海外で活躍するグローバル人材に対しては、業務のベースに「自社の強み、差別化要因を体得、体現し、海外現地事情と融合させながら浸透させていく」というミッションを基礎に置く。

 

 この6項目は、グローバル経営を成り立たせるためにどれも重要な構成要素であり、本来、全社をあげて一体的に構築され実施されるべきものです。しかしながら、現状においては、多くの日本企業において、「グローバル人事部」が存在しても、日本人海外駐在員の労務管理など現状における実務に追われ、本来、今後の企業戦略の成否の根幹を担う極めて重要な部門であるにも関わらず、全社の支援を受けたり、戦略面において全社をリードできるような権限が与えられていないのが実情です。

 

 それでも、先進的な人事部では、上記の③、④のような制度面での模索を続けながら、「グローバル人材」の新たな採用にトライし始めています。本来は、③④のベースが出来上がってから採用を行うことが望ましいのですが、世界経済のグローバル化の急速な進展を考えると、同時並行的に実施せざるを得ませんし、全社にインパクトを与えていくためにも、採用をその第一歩とすることは意味があります。

 

 ◎今後の世界経済の中心は中国をベースとする東アジア圏◎

 

 グローバル経営と一言で言いましても、昨今の経済情勢を考えると、市場として重点化すべきは中国をはじめとする東アジア~東南アジア圏の新興市場であることはほぼ間違いないでしょう。北米を中心に市場化してきた日本企業も、北米市場の成長性およびリスクを考えると、今後、大幅な中国・東アジアへのシフトを強いられることになると想定されます。今後は、日本企業も欧米企業もこの地域を「主戦場」として、激しい世界的な企業合戦が繰り広げられることになるのは間違いありません。

 幸いにして、日本という国が東アジアにおいて最も早く経済発展を遂げた国であることから、東アジアの各国に対して大きな影響力を行使できる立場にあります。しかし残念ながら、現状において、本当の意味でこの地域で、ブランドを確立し、その市場に対し欧米企業以上の影響を与えることができている企業は、実際には数えるほどしかありません。現実に、欧米企業の躍進とともに、中国における日本製品のブランド力は年々低下しています。中国人の優秀な大学生に対するアンケートでも、日本企業への入社を希望する学生は年々減ってきており、日本企業はそれに対して対策すら打つことなく手をこまねいている状況です。

 このままでは、日本企業は、現状において持っている東アジアでの優位性をみすみす放棄し、合戦に参加することもままならず、世界経済の中でおいてけぼりを食らうことになるのは目に見えています。きわめて忌々しき状態に置かれているということです。

 

 

  ◎日本と日本企業が、生き残ってゆくために◎

 

 中国人やその他外国人を採用するとなると、不安や反発を口にする向きもあるでしょう。

 「日本人に比べてロイヤリティ(定着性)が低い」「技術を持ち逃げされるのではないか」「中国の市場そのものがリスクである」等など・・

 そうした意見もそれぞれに一理あるのは事実ですし、じっさいに私達もそうした文化的なギャップに過去苦い思いをした経験を持っています。これまでそうしたトラブルに見舞われた企業様の実例も承知しております。

 しかし、だからこそ、「本当に味方になる中国人人材」の確保と育成が急務であると考えるべきではないのでしょうか。